レイテ島ダイブクルーズ

レイテの中のリブアボード・ダイビング

レイテのライブアボードでは、混雑のない優れたダイビングスポットを訪れるチャンスがあります。ビサヤ東部に位置するレイテは、太平洋に面した大きな島で、「レイテ州」と「南レイテ州」の2つの州に分かれています。現在、ライブアボードダイビングが行われているのは南レイテで、とくにソグッド湾で多く実施されています。この細長い湾は、州の南端から内陸方向へと延びています。南レイテは、フィリピンでも最も未開発な地域のひとつです。ここでは切り立った山々がジャングルに覆われており、高速道路以外の道路は荒れていて、多くの人々が小規模な漁業や農業を生業としています。

ジンベエザメもソグッド湾で注目を集めており、LAMAVE（大型海洋脊椎動物プロジェクト）という組織がこの地に拠点を設け、個体の監視や識別を行うほど定住個体が確認されています。ジンベエザメのツアーはソグッド湾の東側にあるピントゥヤンという町で実施されており、最盛期の傾向などを知るには、現地のダイビングオペレーターやLAMAVEに直接問い合わせるのが最適です。ドンソールやオスロブほどの確実性はないものの、南レイテでのジンベエザメツアーは環境への影響が遥かに少なく、餌付けされたり、ボートで囲まれたり、多数の観光客に突かれたりすることはありません。

レイテのライブアボード目的地

ナパンタオ・サンクチュアリは、ソグッド湾の東側に位置する地域主体の海洋保護区で、地域の宝とされています。NGO団体のCoral Cay Conservation、州の当局、および地元コミュニティが15年以上にわたり、このサンクチュアリを熱心に保護してきました。ナパンタオはコーラルトライアングルにあるサンゴ礁の最高峰ともいえる場所で、ハードコーラルの多様性は驚くほど豊富です。魚の種類も同様に多彩で、少なくとも20種以上のチョウチョウウオが観察できます。無脊椎動物に関しては、ウミウシやヒラムシの種類も数多く見られ、マクロ撮影好きにはたまらないポイントです。また、豊富なサンゴやイソギンチャクの中には、写真映えするエビ類やカニ類も生息しています。

ナパンタオ内には、個別にも組み合わせても潜れる複数のスポットがあり、浅瀬にはブランチ型や花瓶型、岩状のサンゴが咲き誇る美しいハードコーラルガーデンが広がります。小さなくぼみや切れ目があり、サージョンフィッシュやパロットフィッシュの幼魚など、リーフに棲む種にとって絶好の生息地です。リーフが岸から傾斜していくと、エダサンゴ（アクロポラ）が広範囲に広がり、とくに夕暮れ時にはニシキテグリが獲物を探す絶好の場所になります。サンクチュアリのすぐ北では漁業が許可されているにも関わらず、サンゴの被覆率は同様に高いです。

しかし、ナパンタオといえばライブアボードでは断然「ウォールダイブ（壁沿いのダイビング）」で有名です。良好な流れがあると、ハードコーラルに覆われた垂直の壁に沿って流れるようにドリフトダイブすることになります。大きなミッドナイトスナッパーが青い海をパトロールし、色鮮やかなアンティアスがリーフの輪郭に沿って舞います。ブラックコーラルの茂みやピグミーシーホースも観察できるポイントです。壁の上部には生きたハードコーラルが100％繁茂しており、多くのダイバーがその絶景に魅了され、安全停止中も空気が尽きるまでそこにとどまりたくなるほどです。南レイテ行きのライブアボードでは、必ずナパンタオで1本は潜ります。

リマサワ島は、ソグッド湾の南端の入口付近にある車のない理想的な島で、地元ではフィリピンで最初のミサが行われた場所だとされています（他にも同様の主張をしている場所があります）。訪問者は、記念として建てられた十字架と360度の絶景を楽しめる山頂への登頂が勧められています。リマサワとその海洋保護区では、巨大なテーブルサンゴ（アクロポラ）の浅瀬ガーデンや、タカサゴの群れが行き交い、巨大なウミウチワが青い海に顔を出す劇的なウォールダイブが楽しめます。水面上から見える緑豊かな景色が、ダイビングスポットの美しさにさらなる彩りを加えています。この地域ではイルカにも出会えることがあります！南レイテ行きのライブアボードでは通常、リマサワで1本はダイビングします。

パドレ・ブルゴスは、南レイテのダイビングコミュニティの中心地で、ソグッド湾の西側の最南端に位置しています。海岸沿いの穏やかな傾斜には、美しいブラックコーラルの茂み、健康なバミー（独立したサンゴ礁）、そして豊富な魚が住んでいます。パドレ・ブルゴス近くのいくつかのサンクチュアリは素晴らしいリーフを提供してくれますが、ライブアボードは通常、日が沈んでから地元の桟橋を訪れます。ここは夜のダイビングスポットとして有名です。タツノオトシゴ、カエルアンコウ、スターゲイザー、ワニゴチ、ウミウシの大群、オトヒメエビなど、多種多様な生物が観察できます。中にはゴーストパイプフィッシュも含まれており、日中でも海岸沿いの傾斜で見つけることができます。レイテのライブアボードでは、通常パドレ・ブルゴスでも1本は潜ります。

日程の詳細

レイテのライブアボードの行程は6泊以上で、予算は1泊あたり約270〜290ユーロです。これらのツアーでは、南レイテでのダイビングが2日間含まれています。一部の6泊プランでは、南レイテとマラパスクア、カモテス、ボホールおよびカミギン（ミンダナオ北部の活火山島）が組み合わされます。12泊の旅程では、アポ島、マラパスクア、カミギン、シキホールも追加可能です。この長期の旅では、滝、白砂のビーチ、ボホールの有名なターシャ（メガネザル）、漁村訪問を含む3日間のランドツアーも含まれます。

必要な経験レベルはオペレーターにより異なります。フィリピンの一部のダイブサイトでは流れが発生しますが、モルディブやインドネシアほどの激しい潮流は一般的ではありません。特定のサイトでの注意点や求められる経験については、ガイドの指示に従ってください。

ライブアボードの出航地

セブ市は、急成長を遂げる大都市であり、東ビサヤの中心地として、南レイテへのクルーズライブアボードの出発地です。セブ市へは、セブ・パシフィック航空、フィリピン航空、エアアジアによるマニラからの1時間半のフライトで簡単にアクセスできます。セブ国際空港には、近隣の東南アジア諸国や一部の国際線に接続する地域諸国経由の便も到着します。セブ市に余裕を持って滞在することが可能であれば（交通は混雑していますが）、快適な市内観光を楽しんだり、他の島へ向かうための多数あるフェリーや陸路交通手段を利用することもできます。ジャングルや滝が豊富なセブの内陸部も探検の価値があります。セブ市内では、初心者も歓迎されるマクタン島のサンゴ礁ダイビングも楽しめます。

旅行におすすめの時期

南レイテは一年中ダイビング可能ですが、12月から3月のローカルの雨季には天候が不安定になる可能性があります。また、11月下旬から1月までは台風のリスクが高いためおすすめできません。幸いなことに、4月から11月までの期間には素晴らしいダイビングが楽しめます。フィリピンの多くの地域で6月から雨季が始まりますが、南レイテでは比較的天気が安定しており、年末まで晴天が続く傾向にあります。水温は26〜30℃（79〜86°F）で推移します。ソグッド湾でのジンベエザメの出現時期について最新情報を知りたい場合は、フィリピン全域でこの海洋生物をモニタリングしているLAMAVEプロジェクトにお問い合わせください。